カプセル内視鏡(小腸、大腸)

★愛知県下クリニックで初導入★
カプセル内視鏡 2014年7月に愛知県内の無床クリニックとして初めてカプセル内視鏡を導入しました。
従来から実施している経鼻内視鏡と大腸内視鏡に加え、カプセル内視鏡(主に小腸を検査)を用いることで、
当院では、口から肛門まで全消化管の内視鏡検査をすることができます。

小腸検査(カプセル内視鏡以外)とは

小腸は口からも肛門からも遠く、さらに数メートルもあるため、小腸全体を観察することは容易ではありません。

小腸を検査する一般的なものとしてバリウムを用いる小腸透視があります。具体的には鼻から十二指腸まで管を入れ、そこからバリウムと空気をたくさん入れて小腸を映し出すことになります。

最近はCTを用いて多量の空気を小腸内にためて小腸を描出する方法も普及しつつありますが、バリウムを用いないこと以外は同様です。これらの検査は病変の有無を確認することが主となります。

バルーンを用いた小腸内視鏡検査もあります。小腸全体を見るためには口から太いスコープを挿入し胃を通り越してから小腸の口側の半分を、さらに肛門からも挿入して大腸を通り越してから小腸の肛門側半分を観察することになります。検査がたいへんであることは容易に想像できると思います。
通常は入院の上、麻酔を用いて検査しますので、病変を見つけるためのスクリーニング検査には向きません。

カプセル内視鏡(小腸用)とは

カプセル内視鏡 カプセル内視鏡は、超小型カメラを内蔵した26mm×11mmのカプセルを口から飲み込み、あとはおなかに貼り付けたシール状アンテナが画像を受け取って、ベルトに付けたレコーダに自動的に画像が保存されるだけの簡便な検査です。

朝クリニックを受診してシールアンテナを腹部に貼付、カプセルを服用します。
昼間はいつも通りに家事や仕事などをしていただき(昼食もとれます)、夕方、アンテナとレコーダをはずしに来院していただくだけです。カプセルはその後、便とともに排出されます。

カプセル内視鏡撮影動画 元々小腸には疾患が少ないと思われていたため、小腸の検査をしなくても問題となることは多くないと信じられていました。
確かにガンなどは他臓器に比較すると少ないですが、出血を起こす病変(潰瘍など)は少なからず存在し、今後高齢化に伴って増加することも予想されています。

小腸病変は、のどから十二指腸(の一部)まで観察する上部消化管内視鏡検査(胃カメラ、経鼻内視鏡)、肛門から盲腸まで観察する大腸内視鏡検査で異常がなく、小腸に病気を疑われる場合に検査を行いますので、最初から小腸検査目的にカプセル内視鏡を希望することは一般的ではありません。

カプセル内視鏡(大腸用)とは

当院のカプセル内視鏡システムは大腸観察用カプセル内視鏡も使用することができます。
現在、大腸観察用カプセルも保険適応されていますが、これは大腸内視鏡検査がなんらかの事情で実施できないケース(癒着が強く、スコープ挿入が困難なケースなど)に限られます。大腸内視鏡が過去に痛かった、怖いなどの理由のみではカプセル内視鏡で大腸を検査することはできません。
また、カプセル内視鏡では治療ができませんので、病気が疑われた場合には通常の大腸内視鏡検査を改めて実施する必要があります。