大腸内視鏡

大腸内視鏡は、内視鏡検査の中で一番難易度の高い検査です。そのため、胃カメラを行っている医療施設はたくさんあっても、大腸内視鏡を行っている施設は少ないのです。
当院では、大腸内視鏡検査で肛門から盲腸まで全大腸の観察を全例で行い、同時にポリープなどの内視鏡治療も行います。

大腸内視鏡検査とは

内視鏡検査の技術

大腸内視鏡 大腸内視鏡検査は内視鏡を肛門から挿入して盲腸までの全大腸を観察しますが、挿入自体に苦痛を伴うことが多く、その難しさゆえに全大腸内視鏡検査を日常的に行っている無床開業クリニックは愛知県内でも多くはありません。

私は全大腸内視鏡検査一人法(現在主流の方法)が一般に普及する以前より独学で同法を習得し、名古屋大学第2内科(現 消化器内科)〜加茂病院(現・豊田厚生病院)勤務時にわたって同法を後輩諸氏に指導してまいりました。

ご要望に応じて麻酔薬も使用できますが、経験に裏付けられた内視鏡技術があれば多くのケースで麻酔薬の必要性は低いものです。

大腸内視鏡検査の技術を示す指標として、「盲腸到達率」「盲腸到達時間」「腺腫発見率」があります。
盲腸到達率、到達時間は文字どおり、一番奥の盲腸まで確実に短時間で到達できるかどうかの指標で、中級者以上は95%以上、5分以内が求められています。
また、腺腫発見率は初回検査で30%以上の人に腺腫(ポリープ)を発見できる医師がエキスパートとされています。

当院での成績は、盲腸到達率99.8%、到達時間3分40秒(中央値)、腺腫発見率49.4%と、日本のトップレベルにあります。

大腸内視鏡治療とは

内視鏡治療できる疾患

内視鏡で治療する対象は「腫瘍」と呼ばれるものです。腫瘍には「良性」〜「悪性」まであり、内視鏡で治療する腫瘍は、良悪性の中間に位置するものから悪性までの腫瘍となります。

内視鏡治療の方法にはどのようなものがあるか

(1)ポリペクトミー

    ポリープを高周波電流で切除する一番ポピュラーな方法です。
    針金でできた輪のようなものでポリープの根元を縛り、通電して切除します。

    ポリペクトミー

(2)内視鏡的粘膜切除術

    ポリープのように隆起していない場合(平坦あるいは陥凹した病変・下左図)、
    腫瘍の根元に注射をして人工的に隆起を作成し (下中図)、
    ポリペクトミーと同じ要領で切除します(下右図)。

    内視鏡的粘膜切除術

大腸内視鏡検査での麻酔・鎮静剤の使用について

静脈麻酔・鎮静剤を使う場合

【利点】
  楽にできます。
【欠点】
  目が覚めてもしばらくはフラフラしますので、車の運転はできず家族のお迎えが必要になります。

静脈麻酔・鎮静剤を使わない場合

【利点】
  検査後すぐに一人で帰れます。
【欠点】
  人により検査の苦痛度が異なりますが、多少の痛みを感じる可能性があります。

大腸内視鏡検査で痛みを感じやすい人、痛みが出やすい人

・おなかの手術を受けたことがある人(虫垂炎など)
・婦人科の病気で治療を受けたことがある人(特に子宮内膜症や放射線治療を受けた方)
・緊張の強い人