私の考える内視鏡技術

消化器内視鏡の「技術」は目に見えるものではないため、一般の方には理解しづらいかもしれません。
そこで、内視鏡「技術」を極めていく過程を野球選手に例えてお話しします。

一流の内視鏡医になるまで

まずは研修医の時に指導医に付いて習い始め、1〜2年で最低限の内視鏡手技を習得しますが、それではまだ独り立ちできません。

その後は主に消化器内科を専攻した医師(卒後4年前後)が内視鏡の「道」を進んでいきますが、野球ならこの辺りが甲子園を目指す高校球児 でしょう。

そしてさらに多くの症例を経験することで、内視鏡専門医(プロ入り指導医(一軍選手となっていきます。

専門医、指導医には一定の基準をクリアすればなれますが、一流の内視鏡医(スター選手になるためには、検査・治療を継続して多数行い、より多くの疾患を経験することに加えて、日々の学習と心身の鍛錬を積むことが重要です。

一流の内視鏡医を目指して

内視鏡検査を行う医療機関はたくさんあります。

検査を受ける前に、実施する医師の技術(初心者、高校球児、プロ1年目、一軍レギュラー、スター選手 )を事前に知ることができれば、とは誰もが思うことでしょう。

病院は初心者から一軍選手 まで混在しており、誰に当たるかわからないのである意味リスキーです。

では開業医はというと、実施する医師はわかりますが、病院ほどの検査数を常時多数行っている施設はほとんどないのが現状です。

私は長年、病院での内視鏡検査・治療に携わってきましたが、病院退職前は後輩指導などが主となり、直接内視鏡検査を行った件数は若い頃よりも少ない状況となっていました。

しかし開業後、検査件数は年々増加し、現在は私の医師人生の中で最大数の内視鏡検査を実施するに至っております。特に専門の大腸内視鏡検査では、当地区基幹病院の豊田厚生病院(出身病院)、トヨタ記念病院の約半数、豊田地域医療センターのほぼ同数以上の検査数を、私一人で行っております。

野球で言えば、一軍選手 の段階で現役引退(病院退職)し、開業後は草野球レベル で続けていこうと考えていたのですが、気づけばファンの皆さん(患者さん)の期待に応えようと、メジャーリーグ を目指すようになっていた、ということでしょうか。

今後も引き続き内視鏡診療に邁進していく所存です。